黒い賃貸(ちんたい)


これには、外国人留学生も大きく関わってくるので
なかなか大声を上げて意見を言うことはできません。
なぜかと言うと、どこの大学にもこのような掲示板があり、

こうやって日本語に直してしまうと、何のことだかさっぱり分かりませんが
イタリア語で「Affiti in nero」、意訳すると
『暗黙・裏の賃貸契約』のことです。

現在、フランス、イギリスに続いて移民問題が膨れ上がりつつあるイタリアは
移民と国民との平等論、それに対する反発論に揺れています。
その中で大きな問題とされているのが、賃貸契約・アパート、マンション契約です。

毎年学年の入れ替え時期などになると、多くの入居者募集の貼紙広告が並びます。
1人用ベットルームあり〜
ADSL完備〜
キッチン共同〜
電気水道代込み〜
などなど・・・。

広告の下には電話番号がいくつにも並んで印刷されていて、
その切れっぱじを学生が選りすぐってちぎってゆくのです。

大抵の場合(全てとは言い切れませんが)
これらの広告は違法賃貸契約です。
それぞれの大家さんの考え方にもよりますが、
これらの契約には礼金・敷金がない場合もあり(例によって、この事実は学生にとってこの上なく有難く)
気に入れば、その場ですぐに契約、即入居可能です。

ただし、もちろんこの賃貸契約に用いられる契約書も正式なものではなく、
警察に見つかれば家の持ち主・契約者共に逮捕される可能性があります。
この契約は、大家にとって面倒な手続きがかからず、
(イタリアで賃貸契約を正式にする場合、税金や管理面で持ち主にとって色々面倒な制限・義務があります。)
学生や移民労働者など、わんさか契約したがっている相手はいるので
この違法契約は国中に横行しています。

これはイタリア学生向けのサイト内でのアンケートですが

上記二段目の欄が、この違法契約にあたります。
つまり、学生内でも1/4の生徒は違法契約によって
イタリアでの生活を送っていることになります。

ただし問題なのは、これによって
○イタリア政府が取れるはずの税金を取得できていない、
○滞在許可証がない移民・学生にも住む場所が提供されている、
○法外な値段がつきやすい、
○契約終了時(退室時)に払った敷金が返ってこない(大抵の場合、大家は返したがりません)、
などなど、もめる要因はそこらじゅうにあります。

先日、ローマで1000人以上の移民がこの問題で政府から指摘を受けましたが、
(実際、この数字では収まりきらない数の違法契約が成立しています)
彼らにとっても死活問題で、下のような
「賃貸契約か、命か?!」

みたいな幕を掲げて抗議する人もでてきています。
私も、一学生としてなかなか意見しにくい立場ではありますが、
もう少し、イタリア政府が滞在許可証の発行などの手続きを
迅速に行ってくれれば(通常、1年間有効の滞在許可証の受け取りに約3ヶ月〜半年かかります・・・。)
何か変わるのではないか。。。とも思います。